トリスタンとイゾルデ
『トリスタンとイゾルデ』は『トリスタン物語』とも言われ、宮廷詩人たちが
語り伝えた恋愛物語です。
ケルトの説話を起源とし、12世紀の中世フランスで物語としてまとめられました。
アイルランドの王女イゾルデは、自分の婚約者を討ったトリスタンを、愛して
いましたが、コーンウォールのマルケ王に嫁ぐことになります。
マルケ王の元へ向かう船上で、結婚したくない思いと、憎むべき人を愛して
しまった自分を恨み、死の薬を用意するように命じました。
それを飲んだトリスタンとイゾルデ。ところがそれは、愛の薬だったのです。
マルケ王の元へ嫁いだイゾルデでしたが、人目を盗んではトリスタンと逢瀬を
重ねる日々を送っていました。しかし、それがマルケ王に見つかり、家臣により
トリスタンは深手を負ってしまいます。
自分の城に戻ったトリスタンですが、昏睡状態が続いていました。従僕からの
呼び寄せでイゾルデがやっと到着した直後、トリスタンはイゾルデの腕の中で
息を引き取ります。
二人を許すために後を追ってきたマルケ王の一行を、襲撃だと思ったトリスタン
の従僕は、戦いを挑みマルケ王の家臣と刺し違えます。
そして、悲しみに暮れる中、イゾルデはトリスタンの亡骸に寄り添って息絶える
のです。
このように、浮気をテーマにした作品の中には、浮気を美しく描いているものが
数多くあります。
そして、人々は主人公に対して感情移入しやすいために、主人公の行動が少し
くらい間違っていても、悪いのはそれを阻止する人だと考えてしまいます。
更に、自分の浮気にも共通点を探し、正当化しようとするのです。
この物語は、時代が違えば純愛で終わった恋愛が、そうさせなかった障害の中で
はかなく悲しいものになっています。
重要なのは、それによって多くの犠牲を生んでいることです。
そういった点も見落とさずに物語を見ることができれば、やはり浮気は正しくない
という考え方がもっと定着するでしょう。


