暗夜行路
『暗夜行路』は日本の小説家である志賀直哉の代表作で、彼の唯一の
長編小説であり、また日本近代文学を代表する作品の一つでもあります。
時任謙作は、祖父と母との過失によって、この世に生を受けました。謙作は
自意識が強く、それ故に自己嫌悪を感じることもあり、精神的に不安定な部分
がありました。
孤独感を感じたり、不安を募らせる日々を過ごして謙作は、出生の秘密を知り、
また落ち込むのです。
やがてそれを克服し、直子という女性と幸福な結婚をしますが、二人の間に
できた子供はすぐに死んでしまい、自分は呪われているのではないかと感じます。
謙作が留守中に、妻が従兄と過失を犯したことを知り、それを許そうとしながら
許すことができずに苦しみ、鳥取県の大山に向かいます。
そこで一夏を過ごすうちに自然と調和する広い心境に達しますが、病気になって
しまいます。
謙作は、枕もとに駆けつけた直子を許すことにします。そして、直子も
「とにかく、自分はこの人を離れず、どこまでもこの人について行くのだ」と
心に期するのです。
祖父と母の過ちによって生まれた謙作は、妻である直子の過ちに苦しみます。
ひどく落ち込み、許すことのできない自分を責めながらも、最後には二人の愛が
より強まるという内容です。
浮気をされれば傷つき、滅入り、許すことができなくて当然ですが、そこで広い
心を持てれば、その先には本当の愛があるかもしれません。
浮気した相手を愛する気持ちが残っているなら、一度は許すことも必要なのでは
ないでしょうか。
時に、浮気は愛を強固なものへと変えていきます。
しかし、それは良かった場合の話で、そうでないことの方が多いのが現実ですから、
決して浮気をすることで愛情が深まるなどと勘違いしないようにして下さい。


